大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和38(オ)304 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人大井尚俊、同江村高行、同河合信義の上告理由第一、第二について。

所論は違憲をいう点もあるが、原判決の認定したところによれば、本件選挙にお

ける第一から第一一までの投票所において投票立会人席と投票記載場所との距離は

最も近いもので約二メートル、遠いもので約七メートルあり、そして原判決の認定

した事実関係の下においては、投票立会人席で、選挙人の投票の記載を手の動きに

よつて了知することができたことは確認できないというのであり、右原審の判断は

挙示の証拠により是認できる。しからば、所論投票の秘密が侵されたことを前提と

して違憲を主張する点は、前提を欠くものであつて採るを得ない。また、上告人の

主張は、右の投票記載場所と投票立会人席との距離をいうのみであつて、外に投票

所の設備の不備により投票の秘密が侵された旨の主張がない本件においては、裁判

所が投票所につき検証をしなかつたからといつて、所論の違法は認められない。そ

の余の所論は、原審の裁量に属する証拠の取捨、判断を非難するに帰し、採るを得

ない。

同第三、第四について。

原判決は、町議会議員選挙の全投票と町長選挙の全投票とを混同した上で開票し

たものではないことを認定しており、また、所論のように姓のみを記した投票を全

部有効としたとの事実は何ら認定していない。所論は、ひつきよう原審の裁量に属

する証拠の取捨、判断、事実の認定を非難するに帰し、採るを得ない。

同第五について。

公職選挙法二〇五条の法意につき原判決の示した判断は正当である。そして、原

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判決が本件選挙の公正が害されたものであることを認めていないことは判文に徴し

明らかであり、この点に関する原判示は首肯できる。所論は、ひつきよう独自の所

見を主張するものであつて、採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 朔 郎

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